課題図書レビュー
課題図書レビュー(1学期末試験範囲)のご紹介です。
鹿子裕文『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』(ちくま文庫)
介護関係の仕事をする母と、認知症を患う祖母を持つ自分にとって介護に関わるこの本はとても印象に残るセリフが多かった。特に「ぼけたら普通に暮らせない社会になっている」、「老いた人間を邪魔者扱いする社会は、いつか自分も邪魔者扱いされる社会だ」という言葉は強く心に響いた。自分も現代では機械化が進んだり、効率や利益だけを重視したりと老人に優しくない社会になっていると思う。でもそんな人に優しくできない社会は人々をどんどん不幸にしていくし、自己中心的すぎないかと思ってしまう。この本はこんな社会になってほしくないと強く感じさせられたし、老人に優しい情の籠もった本だった。
吉田恵里香『恋せぬふたり』(集英社文庫)
「なんにも決めつけなくてよくないですか? 家族も、私たちも、全部カッコ仮で」。アロマンティック・アセクシュアルである兒玉咲子は、周りから恋愛や家族の「普通」を押し付けられ、モヤモヤしていた。それでも、自分にとってのベストを目指して生きていく。咲子のこの言葉は、私に自由を与えてくれた。考え方や大切なものは変わっていく。それに伴って自分にとってのベストも変わるのだから、「決めつけなくていい」のだ。周りが決めた「普通」に縛られがちな私に、新たな視点を与えてくれたと思う。